鳥のはなし

~アオバト~


 アオゲラのときに述べたように、アオバトといっても実際には体色は、青色ではなく緑色です。英名も White-bellied Green Pidgeon または Japanese Green Pidgeon と言います。
 その緑色たるや、アオゲラの緑は黄色味かかるのに対し、アオバトの場合は、本当に鮮やかな緑色です。名前ついでに、泣き声ですが、アオバトよろしく「アオ~オ、アオ~オ」と鳴き、その声はどこか淋しげです。
 生息するのは山地の広葉樹林ですが、よく海岸へ降りてくることが知られています。海に現れるのは、主に5月から9月の時期に限られますが、岩場に降りて海水を飲んでいます。その光景は全国的に見られますが、神奈川県大磯町が有名で、多い時には、1日に3,000羽ほどカウントしたこともあるそうです。なぜ海水を飲みにくるかというのは、ミネラル補給だとも言われますが、詳しくは分かっていません。ハトの仲間では、他にカラスバトも海水を飲むことが観察されていますが、なぜアオバトだけがという疑問があります。





ワンポイント・アドバイス Ⅱ

~ アオバト ~

 前回解説したキジバトとは、体の大きさはほぼ同大ですが、ややどっしり感があります。全長に対して尾長の比率がやや短めのため、少し体が大きく見えるためかもしれません。またふ蹠もキジバトよりも短く短足に見えます。また、股からふ蹠にかけて、羽毛がびっしり生えていて、ボリュームがあるのもキジバトとの相違点です。形状で一番注意したいのは、クチバシです。キジバトの細いクチバシに対して、アオバトのクチバシは、幅も高さも太いです(図参照、前回のキジバトとも比べてください。)。
 色彩では、頭から背中にかけての緑色の違いを出したいものです。額と、喉から胸にかけては、緑というよりも、むしろ黄色に近いです。頭頂は明るめの緑色になり、さらに背中は濃い緑色になります。またオスの場合、雨覆が赤みがかるのも特徴です。 難問と言えるのが目です。アオバトの目は、とても変わっていて、光彩が外側から中心に向かって、赤→コバルトブルー→水色と変化します(図参照)。このようなガラスアイは存在しませんので、自分で作るほかありません。当工房のカタログには載せていませんが、クリア(無色透明)のガラスアイを在庫しています。そのクリアのガラスアイの裏側に、自分で色をつけて作ります。ご希望の方は、アオバトに使いたいと言っていただければ、特別にお分けします。

図.アオバトの目